クルカ講座

身近な物事をよく熟知してこそ、良質な人生を送ることができるというものだ。
たとえば穀物。
わがアカデミーの比類なき穀物研究のおかげで、北半球の盟主として今や連邦国民に滞り無く食料を行き渡らせることができているのだ。
衣食住を極めてこそ強国は成り立つ。だが、この世界はそのたった3つの要素で成り立っていると信じる愚か者はいないだろう。
衣、食、住、クルカである。この世界は4つで成り立っているといえる。
このテキストブックを呼んでいる諸君ら士官候補生にはぜひクルカについてよく学んで欲しい。
クルカを理解することは日常生活のほかに、軍隊生活においても重要なものなのだ。それを怠ったがゆえに、昨年ではトパズ砂丘において█████████████████だ。

もくじ

・クルカとは
・クルカの生態
・クルカの知性
・人間とクルカ
・クルカの可能性
・クルカの種類
・クルカはどこから来たのか


クルカとは

クルカはこの世界、パルエの様々なところで見られる動物。
知能がとても高く(人間の5歳児に相当)、「人間」にも「動物」にも分類されずに「クルカ」として特別待遇を受けている。
陸を這い、腕の気嚢を使い空を飛び、海中を泳ぐことができるとても生命力の強い生き物です。
そこら中に普遍的に存在していて、家庭内でペットとして飼われたり訓練受けて軍艦クルカとなったりしている。
お祭りでは色を塗られてカラークルカとして登場し、保育園では子どもたちのおもちゃとしてクレヨンでラクガキされ、喫茶店では看板クルカとして平和な一日を送る。
どちらにせよ、パルエ人にとってのよきパートナーであり、よき友人であり、よき緊急非常食である。

 

クルカの生態

概要
変温動物で基本的に日中で活動するが、寝る気分ではない時は平気で夜更かしをし、だらしないクルカは昼夜逆転する。
本能で動くのではなく、きちんと自我を持っており、自分のしたいことをして一生を終える幸せな生き物だ。
ガラクタをよく集める習性があり、お気に入りの部品やパーツを自分の巣で楽しんでいる姿がよく見られる。イラストの通りナットやネジも無断で持っていくので整備士の最大の敵である。
また、食欲が異常に強く、とにかく目に入ったものを何でも食べようとする。
一見本能で食べてしまっているように見えるが、発達した腕を持たないクルカにとって「口に入れること」は「調べること」と同義なのである。
食べようとするものに際限はない。ナット、布切れ、ビー玉、電球、宝石、炎、太陽、セレネ、とにかく興味を持ったものは食べようとする。
嘔吐機能が発達していて、変なものを食べてもすぐにゲロとして吐くことができる。
クルカといえばとにかくゲロがつきものなのは多くの二次創作作品でも見られていて、創作に参加する人たちの良きおもちゃな存在だ。

特徴
スカイバードたちと近縁ではあるが、彼らよりも小さく活発。体長は子供で20cm、大人になると80cmほどになるが、個体差が多いので目安程度に。小さすぎてエンジン(生体器官)にはされることはない。
お腹に縞があるのがオス、ないのがメスである。厳密には卵生だが、体内で子供を孵す。
強靭な耐久力と環境適応力を持っており、氷漬けにされようと、80度のお湯で1時間茹でられようと、軽自動車に惹かれようと、乗っていたロケットが爆発しようと、感電しようと平然としている。
まるでトムとジェリーのようなドタバタコメディに出てくるキャラクターのような不死身属性を持っている。もっとも、クルカ自身は非常に苦痛に感じていますので、死なないからといってし過ぎはNONO!!
シリアス気味の雰囲気に投入されるちょっとしたコメディ成分として大活躍。
いくら頑丈と言っても切断すると死ぬ。

群知能を持っており、クルカが集まると一つの個体として意識を共有することができる。
ただし、どれだけのクルカを集めても、来るかの頭脳が群知能で再現されるだけで結局”クルカ”にしかならない。本末転倒である。

温度を見る目
クルカは、何故か他の生き物とは全く別種のように見える。
遺伝子構造が根本的に違うのだ。目のように見える器官も、人間や動物の目の進化のルーツとは全く異なったものだ。
この愛くるしい丸い眼は、景色の他に温度も見ることができるのだ。温かいところが大好きで、生きるために温度を得ることが重要なクルカにとっては必要な機能だ。

クルカの知性

自我を持っており、訓練せずとも鏡に写った自分を認識することができる。機動哀楽の表情も豊か。
数の概念や「いつ」「どこで」「なにが/どれが」「どのように/なぜ」「おいしかったか」を理解するなど、もはや単なる動物としては計上できないほどの知能を持っています。
社会性も持っており、人間とも動物とも、同種であるクルカともうまくやっていくことができるコミュ力の高い存在だ。
ただ、精神年齢は低いのでやることがとにかく幼稚で純粋なのはご愛嬌。
よっぽどのひどい体験でなければ経験から学ぶことはなく、何度も同じ罠に引っかかることは日常茶飯事。

知能が高いのでズルをすることも。軍用クルカが任務をサボっている姿や(監視人が来ると仕事をしているように装う)、人間にささやかな逆襲を仕掛けようとするシーンも。
彼ら自身は人間たちを「なかなか知能のある高等生物だ」と見下している模様。彼らとしては人間に飼われてやっている・一緒に暮らしてやっているといったつもり。
実際非常に傲慢でわがまま。とにかく何をやらせても自分が主役・自分が一番偉いと思っているようで、たいてい人間に感謝の意を示すことはない。
人間がいないと生きていけないくせに!

 


様々なクルカ

 

ノーマルクルカ Cluca

鳴き声 ピュイ、ピー、キピー
性格 傲慢・不屈
希少度
懐きやすさ ★★★★★★★
好奇心 ★★★★★★

パルエでクルカと言ったらだいたいこいつのことを指す。繁殖力がつよく、やたらと居るためどうとも思われていない。純血種ながら駄犬扱い。

 

スノークルカ Snow Cluca

鳴き声 クー、キー、ピー
性格 傲慢・消極的
希少度 ★★★
懐きやすさ ★★
好奇心 ★★★★

パルエ局地にのみ生息するクルカ。
長年の淘汰の末、保護色を獲得した珍しい個体。おとなしそうな見た目に反して異様にすばしっこく、逃げ出したら捕獲するのは苦労することだろう。
危険を感じると動かなくなり、雪と同化しようとする。余裕がある場合は雪の中に潜り込もうとする傾向がある。
来るかの中でも原始的な特性を強く残しているっぽいです。
主食は木の実等。

 

ザイリーグクルカ Zielieg Cluca

鳴き声 ギー、クー、ピャー
性格 傲慢・暴力的
希少度 ★★
懐きやすさ
好奇心 ★★★★★

ザイリーグ砂漠に生息するクルカ。
スクムシに対して本能的に恐怖を埋め込まれたクルカでありながら、スクムシに反撃を行う性質がある。
スクムシへの恐怖心が刷り込まれた本能に打ち勝った、稀な例がここにある。
気性は荒く、傲慢。他のクルカとも仲良くしようとはせず食べ物は独り占めしようとする。
攻撃手段はテイルアタック。寄って集るスクムシを一掃することができるが、一度に5匹で襲われると対処できなくなって繭になる。

 

ケイブクルカ Cave Culca

鳴き声 データ無し
性格 消極的・無関心
希少度 ★★★★
懐きやすさ
好奇心 ★★★★★★

洞窟内に生息するクルカの亜種。希少種でもある。
タコさんウインナーのような形をしており、不動。天井から滴るミネラル成分や有機液をひたすら摂取するだけの存在。
ケイブクルカは、洞窟に新天地を求めたクルカの成れの果てだと学会では言われている。
曰く、洞窟内で生きていくためにはできるだけカロリー消費を抑えて、天井より滴る栄養を摂取し続けることが必要だったので、
結果としてほとんど動かない生活を送った結果こんなザマになったということである。
あまりにも異質すぎるため、スクムシにも相手にされないイレギュラー。

いたずら好きのノーマルクルカはいろいろとちょっかいを出しますが、ほとんど無反応。
唯一見せる反応は、チヨコを無理やり食べさせた時の拒絶反応であるゲロ噴射(写真)のみ。

 

 

テルスタリクルカ

鳴き声 ビー、ギー、ニ"ー
性格 誇り高い・暴力的
希少度 ★★★
懐きやすさ
好奇心 ★★★★

サン=テルスタリ皇国に生息する希少種。
なんと中途半端ながらも指が発達しており、物を掴むことができる。
普通のクルカよりも一回り大きく、筋肉が発達している。ザイリーグクルカとは気性が荒い点では同じだが、テルスタリクルカは人間には懐かない。
もともと過酷な皇国領土内で自活していたため、人間の助けはいらないのだ。攻撃方法はテイルアタックとクルカパンチ。
スクムシにもある程度は対抗できる最強個体だが、残念ながら人類最強の皇国人のお手軽スナックとして狩られてしまっている。
皇国人の名誉のために解説しておくと、彼ら自身もテルスタリクルカを"クルカ最強の戦士"として認めているらしく、そこそこの敬意を持って食される。

 

 

シュークルカ

鳴き声 ピュー、シー、シュー
性格 消極的・怠惰的
希少度 ★★★★★
懐きやすさ ★★
好奇心 ★★

南半球で発見された新種。体内に葉緑体を持ち、光合成能力を獲得したクルカ。
光合成能力を獲得してから随分と時間が立っているらしく、体表に葉脈のようなものが確認されている。
手当たり次第に植物をかじっていった結果、偶然に偶然が重なり植物と一体化してしまったものと見られている。
その光合成能力の謎に挑んだクランダルト帝国のテクノクラートたちもついにさじを投げてしまったという。
何も食べなくても生きていけるらしく、現在各国でシュークルカの放置実験が行われている。
(観察者の目を盗んで食料を盗み食いしているらしく、正確なデータは未知数である)

 

スイミアクルカ

鳴き声 ピュイ、クー、ピョー
性格 温厚・紳士的
希少度 ★★★★
懐きやすさ ★★★
好奇心 ★★★★★

ワリウネクル諸島連合周辺海域で見られる水棲クルカ。陸上を捨てて海で生活する方を選んだ種族。
すこしヒレが発達してきているのがわかる。海の中で集団生活を送るうちに、思いやりの大切さに気が付き始めている進んだクルカ。
進んだというよりも、ご先祖返りしているとみたほうがいい。人間に対しては中立的な態度をとっているらしい。
諸島連合の人々にとってスイミアクルカは「見るとご利益があるもの」。一応、諸島人のパートナーであるクルカはノーマルクルカである。
親子の絆が非常に強い。ノーマルクルカは親子同時に餌にがっつく(食欲のあまり誤って子をかじることもある)が、スイミアクルカはまず子に先に食べるように促す大人ないきもの。

 

エルィクルカ

鳴き声 クルカ言語
性格 哲学的
希少度 ★★★★★★★★★★★★★★★
懐きやすさ
好奇心 ★★★★★★★★★★★

クルカの古の姿。
パルエに生息するすべてのクルカの始祖にあたる存在。
全てはクルカの遺伝子が知っている。今はもう誰にもわからない、かつての素体。

 

ミニクルカ

鳴き声 ピュイ、ピュイヤ、キー
性格 傲慢・貪欲
希少度
懐きやすさ ★★★★★★★★
好奇心 ★★★★★★

飼いクルカが突然変異した新個体。
「かわいい姿であること」が「人間たちに世話してもらえる秘訣である」と察知した遺伝子がその最適解を具現化した際に出現した。
実際とてもコンパクトで愛くるしいのでたくさん養殖され、パルエ中に広まっている。遺伝子を広めるという意味では大成功である。
なお、見た目とは裏腹に性格は非常にわがままで自己中心的である。

 

 

マッシュクルカ

鳴き声 ヴェ・ゲ・イ"
性格 非生物的
希少度 ★★★★★★★
懐きやすさ
好奇心

シュークルカと同じように、植物組織を取り入れることに成功したクルカ。
葉緑体の代わりに菌糸を宿している。誕生したきっかけは、やはりシュークルカと同じようにキノコを食べまくっていたことによると推測される。
しかしマッシュクルカの場合、菌糸が脳にまで達しているので厳密にはクルカが菌糸を宿したというよりも、乗っ取られたという方が正確。
仲間を増やそうと、一睡もせずシュークルカにゆっくり近づいて一生を終える。

 

ディグクルカ

鳴き声 スー・シー(息)
性格 内向的・引籠り
希少度 ★★★
懐きやすさ
好奇心

サン=テルスタリ皇国に生息する希少種。
一生のほぼ9割を土の中でじっと過ごす。過酷なテルスタリの原生林で、敵に打ち勝つために腕力を進化させたテルスタリクルカとは正反対。
とにかくあらゆるものから逃げようとする。食べ物からも逃げるという、クルカとしては極めて異質。腐葉土の養分を吸収しているのではないかと噂されている。
ディグクルカは地面に潜るというよりも、土の山を作ってその中に隠れるように思われる。そのため、皇国人の簡素なおやつとして食べられてしまう。
捕獲されても諦めているのかほとんど抵抗しない。スクムシからは必死で逃げる。

 

エクスクルカ

鳴き声 ピュイ・ピュオ
性格 傲慢・協調的
希少度 ★★★
懐きやすさ ★★★
好奇心 ★★★★

ノーマルクルカよりもやや昔の形をしているクルカ。
第二パルエ文明の古代遺跡周辺に住んでいることがおおい。中にはクルカ土偶として陶器の中に入っていることも。
陶器を割ると、仮死状態から回復したクルカが食事を求めて顔めがけて抱きついてくる。なんとなくスカラベポジション(?)
ノーマルクルカとは普通に交配してしまい、エクスクルカの遺伝子は淘汰されてしまう。

 

メッツクルカ

鳴き声 ピュイ・ピュー
性格 知的・ワガママ
希少度 ★★★★
懐きやすさ ★★★★
好奇心 ★★★★★★

大深度地下、生命保管庫で発見された希少種クルカ。
光る尾びれを持っており、ノーマルクルカよりやや大柄。旧人によって生命保管庫へ入れられていたのか、それとも大戦後にメッツクルカが勝手に入りこんだのかは謎に包まれている。
頭がよく、いくらか理性的なので、宇宙ミッションなどでは重宝されている。700年台に入ると大量に繁殖され、希少性は落ちた。
ノーマルクルカとは違いが大きくつがいにはならない。
常に人間に何かを訴えているようだが、ピュイとしか聞こえないので無視されている。

 

ヘビークルカ

鳴き声 イュイ・イュン
性格 防御的
希少度 ★★★
懐きやすさ
好奇心 ★★

テルスタリ周辺に生息するクルカ。
厚い皮膚をもち、装甲につつまれた外見をしている。
スクムシに対する防御として表皮を発展させたものだと見られている。
その名の通り重いので水に沈んでしまい、自力で呼吸のために水上に戻ることが出来ない。
厚い装甲も、繭に対しては意味がなく、なんでこんな外見になったのかは謎である。

 

 

最終更新:2016年06月26日 00:21