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2011年01月20日発売の週刊ファミ通2011年2月3日号に掲載されたインタビューと、オトナファミの杉森のインタビューについての特設ページです。


ファミ通NO.1155 ビクティニもビックリ! 「開発スタッフが語るバトルの秘密」

新たなルールのバトルを加えた意図

<新たなルールのバトルを加えた意図>
―「ポケモンBW」のバトルに関して、
開発時に考えていたテーマなどがありましたら、教えてください。

森本茂樹氏(以下、森本)
これまでのシリーズで、バトルシステムはある程度、
完成形に近付いていると考えています。
今回は、既存の遊び方に加えて、
新しい遊び方を提案することが、一つのテーマでした。
あとはバトルバランスの調整ですね。
今までの技で強すぎたものは少し威力を弱めたり、
逆にあまり使われていなかった技の使い勝手をよくしたり、という調整
を加えています。
例えばダブルバトルでは、だいばくはつとまもるの駆け引きが多くなりがちだったので、
だいばくはつの威力を弱めました。

―新しい遊びという部分では、トリプルバトルが採用されました。
新ルールの採用には、どんな意図があったのでしょうか?

森本
本作の開発当初に増田のほうから、
「今回はトリプルバトルを入れたい」という提案があり、
そのアイデアを広げていきました。
トリプルバトルならではの面白さに辿り着くまでには試行錯誤があったのですが、
最終的には面白いものが出来上がったと思っています。

田谷正夫氏(以下、田谷)
トリパについては開発当初、
技の演出がちゃんと画面に出るのか、処理が間に合うのか、
という部分に気を使っていました。
研究の結果、そこは何とかクリアーできそうだな、と安心していたところに、
「初心者でも勝てる要素を入れたい」という話が出てきたのです。
そこで、運の要素を取り入れることで初心者でも勝つ可能性が高くなる
ルールとして入れ込んだのが、ローテーションバトルです。

―まだ不慣れなユーザーも多いとは思いますが、面白いルールですね。

田谷
ええ。ダブルバトルの進化形であり、戦略性の高いトリプルバトルと、
運要素の強いローテーションバトルは
対照的な遊びなので、両方入れて良かったと思っています。

―なるほど。ちなみに、本作では数多くのポケモンが登場しましたが、
新ポケモンの能力はどんな風に決まっていくのでしょうか?

森本
まず、ポケモンの形状やデザインが先にあることが多いですね。
大体のデザインが出来上がった段階で、
能力や特性、覚える技などをざっと考えて、
その後、大まかに決まった能力を大勢のスタッフで比較検討
しながら、段々と煮詰めていきます。

―とても楽しそうな作業ですよね。

岩尾和昌氏(以下、岩尾)
端から見ると簡単ではないです(苦笑)
僕はいくつかの特性を考えたのですが、とにかく大変な作業で……。
技や特性は、ビジュアルのイメージから思い付く事が多いのですが、
重要なのはユーザーの皆さんを驚かせたり、
使ってみたいと思ってもらえる名前や効果を考えること。
すでに多くの特性や技がある中で新鮮味をだすことには、とても苦労しましたね。

ポケモンのバランス調整はどのように行われる?

<ポケモンのバランス調整はどのように行われる?>
―多くの数がいるポケモンの強さのバランスは、
どうやって取られているのでしょう?

森本
ひたすらデータを見比べたり、戦わせてみたりの繰り返しです。
全部のポケモンをチェックしようと思うとかなりしんどいですね。
当然ですが、毎回ポケモンが増えるごとにハードルが上がっていくわけで……。

岩尾
タマゴ技などを含めて多くの技や能力を決めていくので、
時間を掛けて強すぎるポケモンを見付けては、
強さを少しずつ微調整していくことになります。

田谷
何をもって強すぎると判断するのかも難しいところで。
タイプや特性など、あらゆるものがバトルの途中で
変わるようになってきているので、そこまでを考慮してバランスを取るのは、
本当に大変なんです。

岩尾
ストーリーの部分で言うと、最初に出会う3匹の強さを
どうするのかというのはかなり気を使いますし、
何度か通してプレイしてみて、気になる部分を直していきます。

―ちなみに、ユーザーの反応を見てみて、
皆さんが事前に想定した通りのポケモンがバトルで活躍しているのでしょうか?

森本
そうですね。ほぼ想定通りだと思います。
ただし、防御を軸としたポケモンが若干、苦戦しているような気はしています。
どうしても技の威力が全体的に上がってきているので、
やむを得ないのかもしれませんが……。
それにしても、Wi-Fiランダムマッチで遊ぶこともよくあるのですが、
ユーザーの皆さんは本当に上手いですよね。
こんな戦い方もあるのかと気付かされることがよくあります。

―確かに、Wi-Fiランダムマッチはかなりハイレベルで、
なかなか一筋縄ではいきませんね。
あと、最近話題になっているのが、ポケモンの隠れ特性(夢特性)なのですが、
取り入れた意図はどこにあるのでしょう?

森本
これまでのシリーズの積み重ねで、
かなり多くの特性や技、タイプが登場しているので、
これからさらに能力に新しい要素を
付け加えるのは厳しいだろうと考えていたんです。
そんな中で、バトルに新しい面白味を盛り込むには
どうしたらいいかと考えた結果です。
既存のポケモンに新たな特性を与えることで、
バトルの幅がさらに広がってくれると嬉しいですね。

―確かに、隠れ特性はとても面白い試みだと思います。
さて、先日ポケモンWCS2011の概要が発表されましたが、
今年の大会にはどんなことを期待されますか?

森本
個人的に願うのは、自分が全く考えもしなかったような
戦い方がたくさん見られるといいな、ということですね。
開発側が全てを把握しているわけではないので、非常に楽しみです。

岩尾
今までのポケモンが全く使えないので、
開発側としても興味深い大会です。
今回は、みんな同じスタートラインから始めているわけですし、
多くのユーザーに奮って参加してもらえればと思っています。

それでは最後に、読者にメッセージを。

―それでは最後に、読者にメッセージを。

田谷
プログラム的には、これまでよりも軽快に、
きびきびとバトルを展開させることが大きな目標でした。
バトルの演出をオフにせず、
たまには色々な技のエフェクトを見て欲しいと思いますね。

岩尾
全てのポケモンが一新されているので、
色々なポケモンや技を使ってもらえると作り手冥利に尽きます。
一匹でも多くのお気に入りを見付けてもらえればと思います。

森本
ポケモンのバトルには、
まだまだ誰も発見していないような戦い方がたくさんあると思います。
自分なりに工夫してバトルに挑んでほしいなぁと思いますね。

おまけ

森本さんに直撃!WCS2011の注目ポケモンは?

使う人が多そうなのは、エルフーンですね。
ある程度想定はしていたのですが、
いたずらごころはけっこう強いだろうと。
その分、攻撃が低かったりするのですが……。
あとはサザンドラ、シャンデラ、ブルンゲル辺りが注目でしょうか。

森本氏とF通スタッフのぷるるん森本のダブルバトル
※●はバトルに出たポケモン

森本氏手持ち(括弧内は使われた技)
●エルフーン(おいかぜ、アンコール)
●ワルビアル(じしん、まもる、かみくだく)
●アーケオス(いわなだれ、アクロバット)
●コジョンド(不明)
・デスカーン
・イワパレス

「ワルビアルはあまり使われていなかったので使いたかった」とのこと

ぷるるんの手持ち
●ゾロアーク(姿はアーケオス、まもる)
●テラキオン(インファイト、いわなだれ、まもる)
●アーケオス(不明)
●ブルンゲル(ねっとう)
・ランクルス
・サザンドラ

森本氏の勝ち 

おまけ2

森本茂樹
好きなポケモン:デスカーン
人があまりやらないような戦法が好きなんです。
今気になっているのが、デスカーンの特性ミイラ。
「ミイラになっちゃった!」というメッセージがお気に入りです。

田谷正夫
好きなポケモン:ヤナップ

岩尾和昌
好きなポケモン:ズルズキン

オトナファミの杉森インタビュー

  • ポケモン一新は増田が一番最初に宣言
  • 「半分ぐらいにしない?」と抵抗したが譲れんと断言された
  • 上は4年前の出来事、BWの実質作業は2年程
  • 御三家は一番最初に選ぶポケモンなので、子供が身近で捕まえられそうな動物をモチーフ
  • タイプと相性も大事で、火と豚っていうのはなんか非常に旨そうなイメージだなと(笑)
  • 始めにポカブ、次にツタージャが決まった
  • ヤモリは前(キモリ)に使っているため、御三家でやっていないヘビに
  • ヘビは苦手な人もいそうなので、小さめの手足をつけたり、尻尾をツタの葉にしたりでアレンジ
  • ミジュマルは一番難産だった、身近な水生物で可愛いのが意外と少ない
  • 散々悩んだデザイナー(大村)が水族館に行ったラッコを見てピンときた
  • DPのポッチャマ(ペンギン)同様、身近ではないがみんな知ってて可愛い
(あんなに可愛いミジュマルが……!!)というコメントを受けて
  • ラッコが大きくなったらどうなるんだ?と考えるが、今回の3匹の進化形は武将をモチーフと先に決めていた
  • ミジュマル系はお腹の貝を刀代わりに使う日本の侍、拾ってきたものじゃなくて体から染み出るカルシウム成分で(笑)
  • それが鎧や兜になっていくという裏設定
  • ポカブ系は中国の三国志、張飛をイメージ
  • ツタージャ系は気品あるヨーロッパの近衛隊をイメージ
(デザインをする上で特に心がけていることは?)
  • 必ず何かしらの引っかかりを入れるようにしている
  • これが無ければもっと可愛いのに、っていうのを敢えて入れる
  • そこが愛着になるんです
  • ミジュマルも最初は顔のブツブツはなかった
  • それはそれで可愛かったが、なんか足りんぞって(笑)
  • 毛穴をつけ、そこからヒゲが伸びていく設定にし、武将っぽくなった
  • でも「アレさえなければ可愛いのに」という人はやっぱりいる
  • サジ加減は難しい、紙一重でただの気味悪いポケモンになりかねない
  • 意味があれば多少モチーフが変わっちゃうぐらいやってもいいかなって思ってます
  • ビクティニは、増田が「縁起の良いポケモンを作りたいって言い出したのがきっかけ
  • 「(ビクティニの)キーホルダーをカバンに付けてると受験に受かるよ!」みたいなブームが女子高生の間でこないかって(笑)
  • 縁起が良いから”V”をモチーフにすることは最初から決めていた


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最終更新:2014年02月27日 02:56